WEB ON! 42号
大丸有協議会は2018年7月に設立30周年を迎えました。
過去2回のON!ではまちの建物や施設の歴史を紹介し、また発足以前からこのまちを見続けてきた方々に登場していただき、まちの建物やひと記憶の中から、このまちの進化・発展・変貌を辿ってきました。
今回は、設立30周年を締めくくる意味で、このまちの未来の鍵を握る若手ワーカーに集まっていただき、このまちへの想い、そしてご自身の抱負などを語っていただきました。
また、大丸有エリアの企業による、未来につながる先進的な取り組みや、大丸有協議会30周年企画の総括もご紹介します。
大丸有地区まちづくり協議会 WEB ON!042
若手座談会 出席者
- 東京国際フォーラム 営業部
- 木村 寛人 さん
- 東日本旅客鉄道 東京支社
東京ステーションシティ運営PT - 工藤 麻友美 さん
- 三井物産 新本社ビル開発室
- 熊田 雄介 さん
- 丸の内熱供給 人事総務部
- 藤村 佳奈子 さん
- 司会 大丸有まちづくり協議会
- 吉岡 悠
大丸有の若手ワーカーが語る
このまちへの想いと今後の抱負・未来。
2018年に発足30周年を迎えた大丸有まちづくり協議会。
前号では、協議会発足以前からこのまちを見続けてきた方々に、まちの進化・発展・変貌を語っていただきました。
今回は、これからの30年を担う大丸有エリアの若手ワーカーに集まっていただき座談会を開催し、街への想いや今後の抱負を語っていただきます。
学生時代、大丸有エリアは「縁のないまち」
吉岡:本日は大丸有エリアにある企業の若手社員の方々にお集まりいただきました。大丸有まちづくり協議会の吉岡が司会進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、最初に自己紹介から始めましょう。
木村:東京国際フォーラムの木村と申します。ホール貸出業務に携わっており、主にコンサート、ミュージカル、試写会などのエンタメ系の案件を担当しています。趣味は大学時代からベースを弾いていまして、休みをやりくりして友人とバンド活動をしています。
工藤:JR東日本の工藤と申します。現在は東京ステーションシティ運営協議会で、駅を中心とした街の賑わいづくりに携わっています。過去には構内放送や改札、新幹線ホームなど鉄道会社職員としての業務は一通り経験してきました。
熊田:私は三井物産に勤務しており、現在は2020年2月に大手町で竣工を予定している「OH-1計画(仮称)」の推進に携わっています。
藤村:丸の内熱供給の藤村と申します。当社は大丸有エリアの地下に大きなプラントを持ち、たくさんのビルに空調や給湯の元になるエネルギーを供給している会社です。私は人事と広報を担当していますが、なかなか知られていない会社ですので、今日は広報活動の一部になればと(笑)。趣味は旅行で、近々、エジプトに行ってまいります。
吉岡:みなさん、入社前はこの街にどんな印象を持っていましたか?ちなみに私は社会人になるまでほとんど足を運んだことがなかったです。
工藤:「丸の内OL」という言葉があったくらいですので、最初はちょっぴりお堅いビジネスの街なのかなって。大人ぶって銀座の街を歩くことはあっても、丸の内まではあまりきたことがありませんでしたね。
熊田:私は大学が大阪でしたので、まったく縁のない街でした。就職活動時期ですら足を踏み入れたことはありません(笑)。たまにドラマやCMで見て「かっこいい街だな」と思うぐらいでした。
藤村:私も就職するまではみなさんと同じように遠い存在でした。天気予報でたまに東京駅を見るくらいでしたので(笑)。
仕事だけじゃない“ゆとり”を感じるまち
吉岡:藤村さんは入社2年目とのことですが、以前と印象は変わりましたか?
藤村:オフィスワーカーの街という印象は変わりませんが、それだけじゃないと思いました。趣向を凝らしたイベントをたくさん開催していて、私も打ち水とか夏祭りなどに参加させていただいたのですが、仕事だけの街ではない“ゆとり”を感じます。
吉岡:イベントといえば、30周年記念で行ったOPEN CITY MARUNOUCHIでは丸の内熱供給さんや東京国際フォーラムさんにもご参加いただいて、大好評でしたね。熊田さんはどのように印象が変わりましたか?
熊田:私も初めは「テレビの中の街」といった感じでした。ビジネスオンリーの街で、いろいろなものがあるといったイメージがありませんでした。ところがいろいろなテナントや季節ごとのイベントなどがあって、カッコつけた言い方ですが「思ったより有機的な街だな」と感じました。最近では休みの日に出できて、皇居ランを始めました。
吉岡:私も就業後の皇居ランが楽しみにひとつになっています。仕事が終わったらランニングウェアに着替えて、皇居の周りを2周ほど。
工藤: 2周というと約10kmですよね?タフですね(笑)。
吉岡:走ったあとは大手町の「よいまち」で一杯飲むというのがお決まりのパターンです。結局、カロリー的にはプラマイゼロという(笑)。
工藤さんは東京駅に勤務されていますが、駅員さんの視点から街の変化をどのように感じますか?
工藤:大丸有エリアの地図を作成して東京駅をご利用の方へお配りしているのですが、地図の内容が更新されるたびに「あ、また新しいビルができたんだ」って気づかされます。再開発はまだまだ続いて成長しているんだなって。
吉岡:ご自身でも街を歩かれたりしますか?
工藤:はい。昨年のクリスマスに東京駅で「104人のサンタを探そう」というスタンプラリーを開催したのですが、私自身もいろいろなイベントに顔を出すようにしています。
吉岡:ちょうど同じ日に丸の内で「「Marunouchi Christmas PARADE2018」を開催しました。私はその日マルケンの着ぐるみの中に入っていましたね(笑)来年は連携できたらいいですよね。
工藤:そうですよね。一緒にできたら素敵だと思います!
吉岡:東京国際フォーラムでもいろいろなイベントを開催していますよね。
木村:そうですね、この街では「毎日何かイベントがある」というイメージです。特に、世界最大のクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018」ではたくさんの方にお越しいただきました。イベント後、多くの来場者が「東京を観光したいのだけれどどこがいいですか?」と聞いているのが印象に残っています。このようなイベントは、大丸有エリアを知っていただく機会なんだなと気づかされました。
インスタ映えする人気のスポット
吉岡:そんな木村さんのおすすめスポットは?
木村:手前味噌になってしまいますが、東京国際フォーラムのガラス棟はぜひ見ていただきたいですね。上から見下ろすように撮った写真がインスタ映えすると人気のスポットになっています。
また、中庭にはベンチがあってちょっと休憩もできますし、お昼時にはキッチンカーが出てきてランチが楽しめます。私はこの木漏れ日が差した中庭が大好きで東京国際フォーラムに就職したようなものです (笑)。イベント会場というだけでなく、人々の憩いの場所になっているというところですね。
みなさんのお気に入りのスポットはどこですか?
工藤:私は新緑の季節の仲通りが大好きです。木漏れ日を浴びながら歩いていると、ちょっぴりオシャレな気分に浸れて(笑)。
熊田:この仕事を始めてビルめぐりが趣味のひとつになったので、私もよく仲通りを歩いています。「この壁を仕上げるのは大変だっただろうな」とか「お金はかかるけど妥協できなかったんだろうな」というように作り手の想いを想像しながら歩いていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。中でも私のお気に入りは新丸ビルですね。
藤村:仲通りは石畳も素敵ですし、オシャレなモニュメントが展示されていて日本離れした印象がある一方で、打ち水や夏祭りでは日本の伝統文化に触れることができました。たくさんの人が並んで打ち水をする光景はとても壮観で印象に残っています。
いつかは大丸有エリアでロックフェス開催を!
吉岡:ちょっと視点を変えて、これからの30年のために“大丸有エリアがもっとこうなったらいいのにな”と思うことはありますか?ちなみに私は、もうちょっと夜遅くまで営業している飲食店があったらうれしいなと。1次会は丸の内でできても、2次会は他の街へ移動しなければいけないことが多いので。
工藤:確かに2軒目でも使えるお店があると便利ですね。それと、フードコートがどこかにできてくれたらうれしいかもしれません。ごはんを買う場所はあっても食べる場所がないので“昼食難民”がいますし。
木村:フードコートと一緒にアミューズメントパークもどうですか?個人的に「SPA大手町」はとても衝撃的でした。こんなところで温泉に入れるのかと(笑)。それをさらに拡張して、スーパー銭湯的なリラクゼーション施設にするとか。
工藤:それ、いいかもしれませんね!家族みんなで1日過ごせちゃうみたいな。
藤村:そんな施設ができたら、当社の熱もたくさん使ってもらえるのかしら。
一同:藤村さん、さすがです(笑)。
工藤:それと、大きなフードコートもほしくないですか?先ほどの、お昼時の“昼食難民”の解消にもつながりますし。
吉岡:たしかに就業者の数に比べると、食事ができる場所は少ないかもしれませんね。
熊田:実は私も昔バンドをやっていたので、個人的にはロックフェスのようなイベントがあると面白いと思います。
木村:それ、大賛成です!私はもともとコンサートが好きでこの世界に入ったので、ロックフェスのようなイベントが開催されたら最高です。
大丸有をもっと素晴らしい街にするために
吉岡:では、最後に今後への抱負を一言ずつ。私はこの街で働く多くの人々がフェイス・トゥ・フェイスで交流することが大事なのかなと思っています。そうすることで、もっと楽しく働けて、もっといろんな人と出会える街になるのかなと。そんな街づくりに貢献していきたいと考えています。
工藤:最近は鉄道と駅と街が一体となって開発するケースが増えています。鉄道会社の職員ですのでいつ転勤になるかわかりませんが、違う街で働くことになっても大丸有に足を運びたいと思いような魅力的なまちづくりに貢献できたら幸いです。
藤村:大丸有エリアにはたくさんのビルがあり、その地下はエネルギーのパイプで繋がっていることにロマンを感じています。当社がこの街の発展を地下から支えてきたことを、この街で働く人にもっと知っていただくことが今の目標です。
木村:東京国際フォーラムでのイベントは、その後に大丸有エリアを散策する起点にもなっています。そのためにも営業として魅力的なイベントをより多く獲得して成功させ、街全体の発展に貢献していきたいですね。
熊田:自分の携わったビルが50年、60年とこの街に残り、多くの人の人生を彩っていくことが現在の仕事の魅力と思っています。竣工と同時にビルは私の手から離れてしまいますが、その後の多くの人々の想いに恥じないようチャレンジを続けていきたいと思います。
吉岡:皆さんのような若い力で、このまちをもっともっと盛り上げて、さらに魅力的なまちになるといいですね。今日はありがとうございました。-